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健康トピックス「遺伝子」
2007年4月28日 株式会社ビーエルエフ
遺伝子
皆さんは他の生物の遺伝子を食べたことがありますか?そんなものは食べたことがないという方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、すべての生物が遺伝子をもっているので、私達は毎日、他の生物の遺伝子を食べているのです。今回は、生命の謎 『遺伝子』についてです。
遺伝子の役割は?
トンビが鷹を産むというのはもののたとえで、実際にはトンビの子はトンビです。また、鷹の子は鷹からしか生まれません。このように親の性質を受け継ぐのは遺伝子が親から子へ受け継がれていくからなのです。
その遺伝子は、体を作っている細胞の中にあります。細胞とはすべての生物を構成している小さな粒のようなものです。たとえばヒトの体だと60兆個の細胞があるといわれていますが、母親の胎内で生まれたときは、たった1個の細胞(卵子)にすぎません。
そこから、分列を繰り返して、だんだん数がふえる中で、体のこの辺の細胞は脳になれ、この辺の細胞は心臓になれ、この辺は腸になれ、手と足はこんな形で・・・・といった親からの情報伝達によって、体が作られていきます。その情報が書かれているのが遺伝子なのです。
卵子の遺伝子は、細胞が分裂して数が増えても、同じものがコピーされて全ての細胞に同じ情報が受け継がれていきます。
遺伝子の形
牛肉を食べると牛の遺伝子を食べますが、牛になることはありません。人参を食べると人参の遺伝子を食べますが、人参になることはありません。
なぜでしょうか?
遺伝子は、驚いたことに、たった4つの種類の分子からできています。記号で、A、G、C、Tと表記されます。しかも、どんな生物でもこの4種類しかありません。4種類の組み合わせの違い、全体の長さなどの違いで、ヒト、牛、トンビ、人参の違いを決めているのです。
大事なのは、4つの組み合わせです。ひとつの生命を作り出すために必要なこの組み合わせは膨大な長さになります。100万分の何ミリといった単位のものが、全部つながると、ヒトの場合、2メートルにも及びます。
しかし、この組み合わせもバラバラになってしまえば、もはや意味を持ちません。牛がもっていた遺伝子も、人参がもっていた遺伝子も区別はつなかくなります。
私達が牛を食べても牛にならないのは、食べると消化吸収の過程で組み合わせがバラバラになってしまうからなのです。
核酸、DNA、染色体
遺伝子に関連した言葉に、核酸、DNA、染色体といった言葉があります。
全部同じものを指していると考えてもいいのですが、使われ方に違いがあります。
遺伝子の分子が結合して、ねじれた梯子のようにつながっている状態をとらえて言うときはDNAと言います。
遺伝子が細胞中に存在するときには、1本につながらず何個かの部分に分かれています。そして、まわりをタンパク質が取り囲み、それぞれ個性的な形をします。この形をとらえていうときには染色体(タンパク質が色素に染まりやすいため)と言います。
また、遺伝子が細胞分裂でコピーされるときに一時的に梯子の形が壊れるのですが、このような状態になったときやバラバラになった遺伝子の部品としていうときには核酸と言うようです。
核酸の摂取
細胞が分裂するときは、新しい遺伝子をコピーするために核酸も必要になります。核酸が足りなくなるのでは・・・・と心配になるかもしれませんが、核酸の不足はまず起こりません。
遺伝子、核酸は全ての細胞に含まれているため、食事をすれば自然に摂取することになります。また、体内で古くなった細胞にも含まれているので、それを再利用することができます。核酸を意識して摂取する必要はありません。
核酸を食べ物としてたくさん摂取しても、健康上のプラスになることもありません。また、遺伝的な病気の発症や予防、治療とはまったく無関係です。どんな生物のどんな種類の核酸、遺伝子を食べても自分の遺伝子が変わることはないからです。
遺伝子は両親から
DNA鑑定といえば、親子鑑定になどに利用されています。これは、遺伝子を両親以外から受け継ぐことはありえないから、鑑定に利用できるのです。
細胞の中の遺伝子(染色体)は、原則として同じ形をしたものが2本づつあります。ヒトの場合は、23種類の染色体が2組、計46本あります。1組は父親から、もう1組は母親から受け継ぎます。
通常、細胞分裂をするときには、2本の遺伝子は両方ともコピーされますが、精子と卵子をつくるときに限り、どちらか1本だけしかコピーされません。精子と卵子は、23種類の染色体がそれぞれ1組だけあり、受精ではじめて2組がそろい新しい生命が誕生します。
ちなみに、男か女かを決める染色体だけは、対になっても同じ形でないことがあります。同じ形のとき(XとX)は女、違う形のとき(XとY)は男です。
突然変異、進化、品種改良
遺伝子は、同じものがコピーされます。しかし、ごくまれにコピーの際に、伝達する情報の内容が変わってしまうことがあります。これで生物として違う性質をもったとき、突然変異といいます。大きな変異だと育たずに死んでしまいますが、ごくわずかな変異が何世代にもわたって積み重なったとき、進化といいます。
また、両親は同じ生物でないと受精しませんし、受精したとしても育ちませんが、ごく近い仲間だと受精し育つことがあります。農産物で、意図的に違う生物の雌雄や突然変異した生物で受精させたりして、進化を起こさせることを品種改良といいます。現在我々が口にしているほとんどの農産物は、何世代にも渡って品種改良されたものです。コシヒカリ、ササニシキといったブランド米も、稲の原型から品種改良を積み重ねて今日にいたっています。
最近、話題の遺伝子組み換え食品は、この品種改良の技術のひとつです。特殊な技術を使って、特定の種類のタンパク質を作り出す命令を組み込んでいるものす。
遺伝の仕組みは複雑なため、いろんな情報がありますが、いたずらに不安視したり、根拠のない期待をするのはよくありません。食生活と健康でもっとも大事なことは“バランス”ですから、それを見失わないようにしましょう。